養老の滝(Yourou no taki)

岐阜県養老町 総合評価8
 養老の滝は、水量はそこそこ、落差も30メートルしかなくどちらかと言えば平凡な滝ですが、日本の滝百選に選ばれています。深田久弥氏は日本百名山を選ぶにあたって、品格、歴史、個性の3つを挙げられています。滝においてもこの基準が当てはまるとすれば養老の滝は間違いなく歴史において抜群の知名度があります。百名山で言えば筑波山に相当する滝かもしれません。
 養老の滝にまつわる「孝行息子がお酒に変わった滝の水を老父に飲ませた所、老父が若返った」という孝子物語はあまりにも有名です。噂を聞きつけた元正天皇が行幸して、年号までも養老に変わってしまった (西暦717年) ぐらいですから、他の追随を許さないでしょう。
 江戸時代には、葛飾北斎が諸国瀧廻りシリーズとして描いた八つの滝 (和州吉野義経馬洗滝東都葵ケ岡の滝相州大山ろうべんの滝美濃国養老の滝下野黒髪山きりふりの滝木曾海道小野ノ瀑布木曽路ノ奥阿弥陀ケ滝東海道坂ノ下清滝) の一つにも選ばれています。



撮影2016/12/17
 養老の滝の近くに養老の滝にも負けない立派な滝があるとの情報を聞いたので、早速行ってきました。
 養老の滝の一本北側の沢にかかる滝です。
 私が行った時は工事中でしたので工事箇所の手前に車を置いて歩いて向かいます。
 工事区間を抜けると踏み跡が更に奥へと続いています。
 しばらく歩くと滝の説明版がありました。8世紀の元正天皇、聖武天皇が養老の滝へ行幸された際にこの滝で水を汲み秣(馬の草)を採取し馬に与えられたことからこの名が付いたとのことです。
秣の滝(マグサノタキ)地図 落差34m 評価7
 1300年もの歴史ある滝ですが、現在は忘れ去られほとんど訪れる人もありません。
 でも養老の滝をしのぐ落差34メートルの滝は見ごたえがありました。
 続いて向かったのが養老の滝の南側にある長命の滝です。県道56号線沿いに赤岩神社、長命の滝と書かれた案内板がありました。
 林道に入ると大きな鳥居をくぐります。
 さらに進むと赤岩奥の院の手前100メートルに滝への入り口がありました。
 赤岩不動明王と書かれた石碑横の階段を登ります。
長命の滝(チョウミョウノタキ)地図 落差5m 評価2
 小さな滝ですが、場所が場所だけに長生きできそうなきれいな水でした。
 最後は養老の滝です。今回は夕暮れ時でしたので、1000円払って上の駐車場から行くことにしました。
養老の滝(ヨウロウノタキ)地図 落差30m 評価8
 水量が少ない時期ですが、さすが養老の滝です。この滝の前にいるだけで歴史の重みを感じるから不思議です。
 滝の映像



撮影2011/8/17
 今回は、山口、福岡、佐賀、長崎、広島、大阪、京都と廻りましたが、最後に何故か岐阜の養老の滝に寄ってしまいました。
 というのも、京都からの帰り道で名神高速道路を走ったのですが、関ヶ原インターから一宮インター110分という案内があり、34キロの距離を2時間もかけて走る気はなく、関ヶ原インターで降りてしまったのです。
 関ヶ原インターを降りて、今度は伊勢湾岸道路の弥富インターを目指しますが、途中に養老の滝があるので、ちょっと寄り道することにしました。
 前回は手抜きをしてお手軽に上の駐車場から行ってしまったので、今回は下から遊歩道を登ることにしました。
 菊水霊泉の水汲み場です。この水が信じられないほど冷えていておいしかったです。さすがに養老の名水です。
 水汲み場の上の養老神社の隣に実際に泉が湧き出している場所がありました。
養老の滝(ヨウロウノタキ)地図 落差30m 評価8
 下から遊歩道をゆっくりと歩いていきましたが、約20分で滝前に来ることが出来ました。これくらいの距離ならわざわざ千円を払わなくても、運動になった分だけ得した気分です。
 夕方だった為、お客さんも少なく、色々な角度から写真を撮ってきました。
 滝の映像



撮影2005/11/27
 私が行った時は紅葉真っ盛りで、道路が大渋滞するほど見物客がたくさんいました。その為か駐車場は強気の千円、滝を見るだけで千円も取るというのは凄いですね。
養老の滝(ヨウロウノタキ)地図 落差30m 評価8
 それだけお金を取るからには相当凄い滝なんだろうと思いますが、水量はそこそこ、高さも30メートルとまあまあでどちからと言えば伝説優先の滝でした。ただ、紅葉と組み合わさった景観はなかなかでした。
 滝の映像
 こちらが葛飾北斎の美濃国養老の滝です。川幅が全然違います。
 歌川広重の「美濃 養老乃瀧」も幅広ですので、江戸時代は本当に幅が広かったのでしょうか。



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