白鳳渓谷の滝(Hakuhokeikoku no taki)

山梨県南巨摩郡早川町奈良田/南アルプス市芦安芦倉 総合評価7
 白鳳渓谷は南アルプス、特に北岳登山の玄関口として知られており、紅葉の名所でもあります。
 昔は車で広河原まで行くことが出来、手軽に沿線の滝や紅葉を楽しむことが出来ましたが、マイカー規制により現在では山梨交通のバスか地元のタクシーを利用しないと行くことが出来ません。
 本来は環境規制の対象外であるはずの自転車まで通行禁止になっていますが、私のように20キロ以上を徒歩で歩く人はいないだろうということで歩行者の通行は禁止されていません。



撮影2018/8/17〜18
 2年前にギブアップした日本百名山の北岳に今回は一人で再挑戦しました。
 朝5時15分芦安出発のパスに乗って、6時15分に広河原に到着です。
(携行装備)
 ・登山靴、ダブルストック、帽子、手袋、レインウェア
 ・GPS、コンパス、高度計、気圧計、温度計、地図、デジカメ、ヘッドライト
 ・食料(カップヌードル×1、おにぎり×2、チョコレート×2、ペットボトル×6) 、熱湯用水筒
(6時30分)
 北沢峠へのゲートを越えて吊り橋の方へ向かいます。
 北岳の雄姿が見えます。今回は大樺沢から八本歯のコルへ出て、稜線沿いに北岳を登り、北岳山荘で一泊、翌日、間ノ岳まで行って戻る計画です。
(8時50分)
 前回は3時間半かけてもたどり着けなかった二股へ2時間20分で到着しました。
 北岳バットレスの下に滝が見えますがガリー大滝でしょうか。
 バットレス沢の結構な水量のある連瀑帯を横切ります。
 本流の大樺沢にも滝がかかります。
 八本歯沢の源頭部へ入っていくと梯子が現れました。ここから10以上の梯子を登って一気に高度を稼ぎます。
(12時20分)
 ようやく八本歯のコルに出ました。二股からの標準時間は2時間20分ですが、3時間30分もかかってしまいました。北岳山頂まではあと1時間20分ですが、このペースだと相当かかりそうです。
 八本歯のコルというだけあって物凄いところに道がかかっています。
 鳳凰三山も良く見えます。
 間ノ岳への稜線もはっきりと見えました。
(14時00分)
 ようやく北岳の稜線です。
 でも北岳はまだまだ上にそびえていました。
(14時20分)
 念願の日本第2位の北岳山頂3193メートルに到着しました。火山以外では日本一の標高です。
 昔、民主党政権の時の事業仕分けで、蓮舫議員が「スパコンはなんで2位じゃダメなのか」と問うた時に、行政刷新会議メンバーの星野朝子氏が「日本で2番目に高い山の名前など誰も知らない。」といったのは有名ですが、登山者の世界では誰もが知っている有名な山です。
 三等三角点「白根岳」です。
 三角点の銘板を見ると標高3192メートルとあります。実は2004年の調査で隣の岩盤の方が80センチメートル高いことがわかり最高標高が3193メートルに書き換えられた為です。
 この辺は1年に4ミリメートルの速さで隆起しており、いつの日か (計算上は14万6千年後) 富士山を抜くかもしれません。
 甲斐駒ヶ岳もすぐそこに見えます。
 仙丈ヶ岳甲斐駒ヶ岳へ登った時は北岳は良く見えませんでしたが、今回は、どちらも良く見えます。
 地蔵ヶ岳のオベリスクも細部まで良く見えました。
 仙丈ヶ岳甲斐駒ヶ岳鳳凰三山のパノラマ写真です。なお、仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の間に見える岩盤が北岳最高地点です。
 稜線の反対側には間ノ岳が良く見えました。
 北岳山頂から北岳山荘へと歩いていると雷鳥の親子と遭遇しました。実は夜、部屋にいると見知らぬおじさんが「雷鳥見かけませんでしたか。もし見たら足輪は見ましたか。」と話しかけてきました。この写真をお見せしたところ、足輪が写ってなくて残念そうでした。
 実はこの方は中村浩史氏、別名ライチョウ先生と言い、信州大学の元教授で現在、雷鳥の保護などの活動を続けられている方でした。北岳には現在、4家族を確認しているとのことで、今年は4回も北岳に登ったと仰っていました。
 黒川紀章氏設計の北岳山荘が近くに見えてきました。
(15時30分)
 山荘到着です。1日目は9時間の行程でした。
 翌日の朝、部屋の窓から日の出と富士山が同時に見ることが出来ました。というのも、黒川紀章氏が最初から日の出と富士山を意識して設計したからだそうです。
(5時50分)
 間ノ岳に向けて出発です。間ノ岳往復の予定時間は3時間20分です。
(6時20分)
 早朝の稜線歩きは8月とは思えないほど寒かったです。ほとんどの方が防寒着、手袋をしていました。
 寒さに震えながら歩いていると、30分ほどで中白峰山へ到着しました。ここからは北岳が良く見え、別名「北岳展望台」と言われています。
(7時20分)
 1時間30分で間ノ岳に到着です。白峰三山の真ん中にあるので間ノ岳と言います。存在感のなさそうな名前ですが、実は奥穂高岳と並んで日本第3位の標高3190メートルを誇る山なのです。
 三等三角点「相ノ岳」です。2014年までは標高3189メートルで第4位だったのですが、衛星測量の結果、3190メートルに改定され、奥穂高岳と並んで第3位になったそうです。
 また、付近の地滑り跡から推定すると地滑りが起きる前までは北岳より高かったようで、富士山が成長する前の最終氷期には日本最高峰だったのではないかと推測されています。もし本当なら、もっといい名前を付けてあげたいですね。
 南の方には塩見岳が見えました。
 富士山はやはり別格ですね。
 富士山から南アルプスの山々のパノラマ写真です。
(9時00分)
 ほぼ予定通りの間ノ岳往復でした。
(9時30分)
 30分ほど北岳山荘で休憩し出発です。下山予定時間は八本歯のコルまで1時間10分、二股まで1時間30分、広河原まで1時間50分、合計4時間30分です。
 ここから八本歯のコルまでのトラバース道はお花畑で名高い北岳で最もたくさんの花を見れるところですが、見頃は7月中旬までということで、ほとんどは終わっていました。
 トラバース道は落ちたらただでは済まないところを通っているため、慎重に進みます。
(10時50分)
 八本歯のコルに着きましたが、1時間20分で予定を10分上回りました。
(12時40分)
 二股までは更に予定オーパーし2時間弱です。
(14時50分)
 広河原までは予定通りの1時間50分で着くことが出来、無事15時のバスに乗ることが出来ました。
白井沢の滝(シレイサワノタキ)地図 落差10m 評価5
 バスは一番前の席に座り、運転手さんに白井沢の滝の前で一旦、停まっていただくようお願いし、無事写真を撮ることが出来ました。



撮影2016/7/14
 今回は日本百名山で日本で二番目に高い北岳を奥さんと一緒に目指します。
 朝5時50芦安出発のパスに乗って、6時40分に広河原に到着しました。
(携行装備)
 ・登山靴、ダブルストック、帽子、手袋、レインウェア
 ・GPS、コンパス、高度計、気圧計、温度計、地図、デジカメ、ヘッドライト
 ・食料(カップヌードル×2、おにぎり×2、チョコレート×2、ペットボトル×6) 、熱湯用水筒
(6時50分)
 北沢峠へのゲートを越えて吊り橋の方へ向かいます。
 北岳の雄姿が見えます。さすが日本で二番目に高い山です。
 長い吊橋を渡ります。
 こんもりとした樹林帯を歩くので、それぼど暑さは感じません。
(7時20分)
 白根御池との分岐ですが、ここは大樺沢方面へ向かいます。
 沢沿いをずっと歩きますが、時々、立派な無名滝も現れます。 
 左岸から右岸へと渡ります。
(8時45分)
 二股まで1時間の案内です。
 再び左岸へと戻ります。
 雪渓が現れました。この辺から、身体が思うように動かなくなってきました。少し歩いてはリュックサックをおろしての休憩が続きます。実は風邪を引いて日曜日まで抗生物質を飲んでいました。
(10時15分)
 後、3時間ほど歩けば北岳肩の小屋ですが、無理は禁物です。ここで撤退することにします。
 実は翌日、38度の熱が出ましたので、撤退して正解でした。
 鳳凰山もいつか行ってみたいです。
 山の天気の変化は急激です。晴天だったのに北岳は雨雲に覆われていました。 
(12時50分)
 何とか無事に広河原に戻れてほっとしました。
白井沢の滝(シレイサワノタキ)地図 落差10m 評価5
 乗り合いタクシーで芦安まで戻る途中、白井沢の滝だけ何とか写真を撮ることが出来ました。



撮影2014/11/1
(9時02分)地図
 白鳳渓谷には南アルプス市側から向かう南アルプス林道と早川町から向かう県道南アルプス公園線の二つの道路があります。
 今回は早川町側の南アルプス公園線を利用し、一日に4回しかバスがない為、9時2分の奈良田発広河原行きのバスに乗り、帰りに林道を歩くことにしました。
 尚、トンネルが多いので、懐中電灯、出来ればヘッドライトは必須装備です。
(9時55分)地図
 バスはゆっくりと林道を走りますが、他の乗客は北岳登山に備えているのでしょうか、皆さん寝ており、私のように外の紅葉を楽しんでいる人はいません。
 50分ほどかけて、広河原の立派なインフォメーションセンターに着きました。
 9時55分にインフォメーションセンターを出発しましたが、付近の紅葉は最盛期を迎えていました。
小滝(コタキ)地図 落差10m 評価5
(10時10分)
 最初の滝は小滝です。名前は小滝ですが、写真に納まりきれないほどの大きな滝です。
水沢の滝(ミズサワノタキ)地図 落差30m 評価5
(10時30分)
 20分ほど歩いていると水沢の滝が見えました。上部の滝は今にも崩れそうな岩盤の隣を流れており、形もどんどん変わっているのでしょう。
樽沢の滝(タルサワノタキ)地図 落差50m 評価5
(10時50分)
 こちらは連瀑帯になっており、全部足せば50メートルはありそうです。紅葉の向こうを優雅に流れ落ちていました。
 当日は小雨が降っていた為、渓谷全体に霧がかかっていましたが、霧の中でも紅葉は際立ってきれいでした。
(11時00分)
 双沢橋に滝がありましたが、滝名の表示はありません。双沢の滝とすれば良いのかもしれませんが、雨天限定の滝かもしれませんので無名滝としました。
 大木が倒れ掛かる中を水が流れ落ちていました。
(11時20分)
 トメノ沢橋にも大おきな滝がありましたが、こちらも滝名の表示はありません。結構水量がありましたが、こちらも無名滝としました。紅葉の中を優雅に流れ落ちていました。
 この辺の紅葉は本当にきれいでした。こんなにきれいなのに誰もいないのが勿体無いです。
(12時25分)
 2時間半ほどでようやく野呂川発電所に着きました。広河原からここまで7キロほど歩きましたが、奈良田のバス停までは、まだ10キロ以上あります。
 発電所のバス停から大きな滝が見えました。紅葉の中を一筋の流れが裂くように流れており、無名滝とするには勿体ない滝です。
 林道から沢を覗くと落葉まで眩しいくらいに紅葉していました。
桂ノ滝(カツラノタキ)地図 落差10m 評価6
(13時10分)
 滝の右側に真っ赤なもみじがあり、滝の美しさに花を添えていました。
間ノ滝(アイノタキ)地図 落差20m 評価6
(13時20分)
 近くの日本で3番目に高い間ノ岳から貰ったのでしょうか、間ノ滝がありました。壁面に茶色の筋があるのが特徴です。
カッパ滝(カッパタキ)地図 落差20m 評価7
(13時40分)
 林道脇の崖から沢を覗きこむと紅葉の向こうに大きな滝がありました。深い沢なので滝の近くには行けませんが、結構大きな滝です。
仙谷滝(センゴクタキ)地図 落差30m 評価7
(14時10分)
 地図にも記載のある仙石滝に到着しました。黄色の葉っぱの向こうに水量豊かな滝が流れています。
(14時25分)
 ここまでで広河原から15キロほど歩いており、残りは3キロちよっとです。いよいよ林道歩きも終盤に差し掛かりました。最後の2滝を過ぎれば終点まであと少しです。
神楽滝(カグラタキ)地図 落差20m 評価4
(14時37分)
 神楽滝は木々の枝で良く見えませんでした。
こごみ滝(コゴミタキ)地図 落差50m 評価7
 (14時40分)
 白鳳渓谷最後の滝というか、入り口から最も近い滝です。
 逆くの字に蛇行した物凄く大きな滝です。この渓谷でも随一かもしれません。
 滝の映像
(15時10分)
 マイカー規制されている開運墜道へ5時間以上かかってようやく到着しました。規制をしている係員に広河原から歩いて来たと言ったらびっくりしていました。
(15時30分)地図
 バス停から開運墜道まではバスではあっという間でしたが、30分かけてようやくバス停に辿り着きました。本当に疲れました。左足にはまめも出来てしまいました。



日本の滝(ホーム)
 日本の滝一覧 日本の滝百選 自薦百選の滝 訪問履歴

滝の評価はあくまでも私個人の主観にもとづくものです。又、評価は気象条件等によっても変わることをご承知おき下さい。
このホームページについての御意見・御感想は、GAF03402@nifty.com までお寄せ下さい。
本ホームページの著作権は、S.KOBAYASHI に帰属しております。
本ホームページの内容の一部、または全部を、私的利用を目的とした複製等、著作権法その他法令で認められる範囲を超えて無断で複製、変更することは法律で禁じられております。