清大寺龍門滝(Seidaiji ryumon taki)


福井県勝山市片瀬地図
 清大寺は勝山市にあるスケールの大きなお寺で、奈良の大仏よりも高い越前大仏、東寺よりも高い五重塔、中国の国宝である九龍壁を模した壁など多くの観光の目玉があります。でも普通のお寺とはかなり違います。このお寺は大阪のタクシー王である多田清氏が故郷である勝山に貢献する為に私財380億円という途方もないお金を投げ打って建てたお寺なのです。
 現在は臨済宗のお寺となっていますが、当初は宗教法人とせずあくまでも観光事業として設立しました。その方が固定資産税等で市により多くの還元が出来るからです。
 でも、清大寺は興福寺や薬師寺とは違います。例えば薬師寺には檀家はありません。なぜなら元々が国営のお寺である為、現在の収入は拝観料と寄進によります。拝観に訪れる人は1400年という歴史に敬意を払って参拝します。でも、清大寺にはそれがありません。
 清大寺を訪れる観光客がいない為、市への税金は払えず、五重塔が競売にかけられましたが、いまだ買い手はつきません。拝観料だけで成り立たせることは、歴史がない清大寺には無理な話なのです。牛久大仏のように霊園を併設して檀家を構成するなどの工夫が必要でした。


撮影2013/8/24
 田んぼの中に忽然と浮かびあがります。
 私が行ったのは日曜日の朝9時でしたが、本来なら御土産屋で賑わうはずの門前町がシャッター街となっていました。
 入り口で拝観料500円を払うと、大門があり阿形、吽形の仁王様が迎えてくれます。
 尚、私が拝観した時に会った人は、拝観料を支払った時の女性の方一人だけでした。大仏殿、五重塔、九龍壁いずれでも、お坊さんはもちろん、拝観者も誰一人としていませんでした。本当に私だけしかいませんでした。
 大門、中門を越えると東大寺よりも大きい大仏殿が見えました。
 大仏殿の前には八角燈籠がありました。ここまでの導線は東大寺と酷似しています。
 大仏殿に入ると大きな空間の中、真ん中に高さ17メートルの大仏様、両脇に高さ10〜11メートルの菩薩、羅漢など4つの立像がありました。又、壁には全部で1281体あるという小さな仏様が安置されています。
 物凄い圧倒感です。奈良の大仏以上の存在感があり、さらに常に流れている音楽が、荘厳さをさらに引き立たせます。
 大仏殿を出て、五重塔へ向かう途中に九龍壁がありました。北京北海公園にある九龍壁を、勝山市を流れる九頭竜川にちなんで再現したものです。
 でも冷静になって考えてみるとここにある必然性はありません。むしろ勝山城博物館の方が良いかもしれません。
 五重塔は高さが東寺の五重塔を20メートルも上回る高さ75メートルの日本一の高さがあります。
 五重塔にエレベーターで最上階まで登ると大仏殿と遠くには同じ多田清氏が建てた勝山城が見えました。
清大寺龍門滝(セイダイジリュウモンタキ) 落差3m 評価2
 お寺には浄土庭園が造られることが多く、滝が併設される例がたくさんあります。庭園の池や滝には宗教上の意味が込められており、名前があるのが普通ですが、この滝には名前がありません。ここにも観光施設として建てられた清大寺の性格が垣間見れます。
 良く見ると中国の鯉が滝を登ると龍になるという故事、登竜門に因んだ鯉魚石(りぎょせき)が置かれているので龍門滝のようです。
 滝の映像
 勝山には実際に天守閣があったそうですが、もちろんこんなに立派なものではありません。このお城も多田清氏が勝山市のためにと考えて私財を投げ打って建てたものです。現在は「財団法人多田清文化教育記念財団」が博物館を運営しています。
 高さは名古屋城を2メートル上回る58メートルもあり、もちろん日本一だそうです。中は博物館になっており、鎧、兜、刀などの武具が展示されています。特に2階の障壁画は見ごたえがありました。
 折角ですので、隣町にある越前大野城にも行ってみました。こちらは1795年に焼失するまで実際に天守閣があった歴史の裏づけのある由緒あるお城です。駐車場から天守閣までは小山を15分ほど歩いて登る必要があり、結構な運動になります。その為か、市民の憩いの場となっており、私が行った時も多くの人で賑わっていました。
 200円で天守閣内にも入れますが、展示物はお客さんのいない勝山城博物館と違って、貧弱そのものです。多田清氏の遺産の再評価がなされても良いのでと思いました。


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