大川の滝(Ooko no taki)

鹿児島県熊毛郡屋久島町 総合評価9
 屋久島は洋上アルプスと表現される通り、淡路島ほどの面積に2千メートル近い山々が連なる特異な地形をしており、その急峻な地形から多くの滝が形成されています。



撮影2018/11/23〜25
 11年振りに屋久島へ来ましたが、今回は日本百名山の宮之浦岳登山が目的です。
 鹿児島空港から屋久島に飛行機で向かう途中、噴煙を上げる桜島を真近で見ることが出来、感動しました。 
 フィットハイブリッドをレンタカーで借りましたが、3日間で286キロ走って、使った燃料は19.5リットルでしたので、燃費は14.7キロとかなりの期待外れです。
 でも後ろの席を折りたたむと真っ平らになり、車中泊には最適な車でした。
羽神の滝(ハガミノタキ) 落差70m 評価5
 レンタカーを借りてまず向かったのは白谷雲水峡です。宮之浦大橋から白谷雲水峡の方を遠望すると道路の下に大きな滝が見えました。滝つぼへも行けるようですが、今回は遠望で我慢します。
 先ほど滝が見えた道路に到着しましたが、上流にも滝がかかっていました。
 道路から滝のある方を覗き込むと落ち口も見えます。
 白谷雲水峡では渓谷沿いに屋久杉を見ることが出来ました。ハイキングコースもいくつか設定されています。今回は滝を見ることが出来る二代大杉を往復するコースへ行きました。
白たえの滝(シラタエノタキ) 落差10m 評価5
 入口にかかるのが白たえの滝です。
 白たえの滝の右側の階段を登って行きました。
 すると切株の上に種子が落下して発芽生育した二代杉が見えます。
おしどり滝(オシドリタキ) 落差8m 評価3
 憩いの大岩を越えると左側の支流から3筋に割れた滝が流れ落ちていました。
白谷滝(シラタニタキ) 落差10m 評価4
 本流には白谷滝がかかっています。
飛流落とし(ヒリュウオトシ) 落差15m 評価6
 白谷滝のすぐ上の橋に着きました。橋の上からは白谷雲水峡を代表する滝である飛流おとしを見ることが出来ます。
 滝の映像
 更に上流へと進むと、入口から20分ほどで二代大杉がありました。
 樹高は32メートルとかなり高いですが、胸高周囲は4.4メートルですので、まだ若い屋久杉です。
 この杉も切株の上に種子が落下して発芽生育した二代杉でした。
 2日目に宮之浦岳を登る為に1日目の夜は淀川登山口の駐車場で車中泊をすることにしました。
 その前に少し時間があったのでトローキの滝を再訪します。
 ぽんたん館の駐車場に車を停めて遊歩道を海の方へと歩きました。
トローキの滝(トローキノタキ 落差6m 評価5
 砂浜や岩場に落ちる滝はありますが、直接海へ注ぐ滝はかなり珍しいと思います。
 上流の千尋滝の岩盤は花崗岩ですが、河口は堆積岩でしょうか。
 滝の映像
(5時10分)
 真っ平らな室内の為、ぐっすり眠ることが出来ました。
 真っ暗闇の中、ヘッドライトを着けて5時10分に出発します。
(携行装備)
 ・登山靴、ダブルストック、帽子、耳当て、手袋、セーター、レインウェア、スキーウエア(上)
 ・GPS、コンパス、高度計、気圧計、温度計、地図、デジカメ、ヘッドライト
 ・食料(パン×4、牛乳×2、キャラメル×1、チョコレート×2、ペットボトル×4)
(5時50分)
 40分で淀川小屋へ到着しました。出発時はかなり寒かったですが、ここでセーターを脱ぎました。
(6時30分)
 登山口から2.5キロ来た時点で時間は6時30分でしたが、まだ真っ暗です。
(6時50分)
 3キロ過ぎた時点でようやく白んできました。
 ご来光も見えます。
(7時05分)
 3.5キロ時点で完全に明るくなりました。
 小花之江河の湿原に到着しましたが、紅葉なのか茶色になっています。
(7時20分)
 花之江河湿原に着きました。小花之江河から花之江河にかけては日本最南の高層湿原だそうです。
 こちらも茶色に変色していました。
(7時40分)
 黒味岳との分岐に到着です。ここから黒味岳までは往復40分ぐらいですが、無理はしません。
 この辺は携帯電話が通じるので、ここで15分ほど休憩を兼ねてスマホのゲームをしました。
 屋久鹿がいます。屋久島も鹿の被害があるようですが、私が今回の屋久島で見たのはこの鹿だけでした。
 この辺からロープ場も出てきます。
(8時00分)
 登山口から3時間弱で投石平に到着しました。
 ここのロープ場が最も難所かもしれません。
 こちらは投石岳でしょうか。
 この登山道は至るところに水場があって水分補給には困りません。ここが宮之浦岳への最後の水場となります。
(9時20分)
 携帯トイレから栗生岳へと登りが始まりました。
 坂道を登っていると反対側に奇妙な岩が見えます。まるでエイリアンのようです。
 こちらは翁岳でしょうか。
 栗生岳に到着しました。
 折角ですので祠を見てみます。
 避けた岩場の向こうに見えました。
 宮之浦岳まであと少しです。
(10時10分)
 登山口から丁度5時間で宮之浦山頂に到着しました。
 一等三角点「宮之浦岳」です。
 一瞬ガスが晴れた時に撮影したパノラマ写真です。残念ながら、海までは見通せませんでした。
 そのまま宮之浦岳を通り過ぎて行くと縄文杉を見ることが出来ますが、今回はここで来た道を引き返します。
(14時00分)
 帰りは順調にとばして14時に淀川小屋に到着です。
 来た時は真っ暗で気がつきませんでしたが、大きな杉が至るところに立っていました。この杉にも名前があるかもしれません。
(14時50分)
 計画では往復10時間を予定していましたが、少し早い9時間40分で帰ってくることが出来ました。
 帰りの林道を車で走っていると、大きな杉が見えます。案内板を見ると林道を作るときに予定コースの真ん中に立ちはだかっていたそうで、本来ならば伐採するところを、担当者が杉を守るべきと判断し、計画路線が変更されました。おかげで現在でも雄姿を見ることが出来、杉の木はこの営林署担当者の名前をとって川上杉と呼ばれています。
 さらに進むと観光スポットにもなっている紀元杉がありました。
 樹高19.5メートル、胸高周囲8.1メートル、樹齢3千年と推定される屋久杉の古木です。
落の滝(オトスノタキ) 落差60m 評価6
 二日目の夜は空港近くの海浜公園のようなところで車中泊しました。
 空港を過ぎて少し走ると右の山腹に一筋の白い筋が見えます。地図を確認すると落の滝とありました。
 かなり大きな滝のようですが、情報がない為、遠望で我慢します。
 次は千尋の滝を目指しました。
 千尋の滝へ11年前に来た時は竜神の滝があることに気が付きませんでしたが、竜神の滝展望台を新たに造ったのでしょうか。
 滝は千尋橋の上から見ることになります。
竜神の滝(リュウジンノタキ) 落差30m 評価7
 落差30メートルの直瀑でした。観光協会が観光地化しようと考えているのかもしれません。
 滝の映像
 千尋の滝は朝早かった為、観光客は誰もいませんでした。
千尋の滝(センピロノタキ 落差66m 評価8
 相変わらず、左側の花崗岩は見事です。
小千尋滝(コセンピロタキ 落差10m 評価6
 前回来た時は注目していなかったのですが、奥の滝にも名前がついているそうです。
 滝の映像
 続いて、観光ガイドブックに載っていた蛇之口滝へ行くことにしました。
 案内板には往復3時間とありましたが、登山口の尾之間温泉のおばさんに「3時間では絶対無理、4時間はかかる。午後3時過ぎになると観光客が温泉に入りに来て駐車場が足りなくなるから、それまでに帰ってくれ。」としつこく言われ、気分悪く出発します。
 足湯には猫が気持ち良さそうにひなたぼっこをしていました。
(8時35分)
 4時間かかると帰りは12時30分なので、それなら文句はなかろうと思い出発します。
(携行装備)
 ・登山靴、ダブルストック、帽子、耳当て、手袋、セーター、レインウェア、スキーウエア(上)
 ・GPS、コンパス、高度計、気圧計、温度計、地図、デジカメ、ヘッドライト
 ・食料(パン×2、牛乳×1、キャラメル×1、チョコレート×2、ペットボトル×2)
 蛇之口滝までは4キロの道のりです。
 南国の木々の間を歩いているとここは屋久島なんだと実感できました。
 土質が変わったとの説明板によると、屋久島は堆積岩を下から花崗岩が貫入して出来た島で、海岸線沿いは堆積岩、中心部は花崗岩になり、この辺が丁度境目になるそうです。
 哺乳類は家畜と犬、猫を除くと鹿、猿、イタチ、ネズミ、モグラ、コウモリの6種類しかいません。
 花崗岩の一枚岩を登ります。
(9時35分)
 1時間ほどで炭がま跡に着きました。
 屋久島は標高毎にほぼ日本全域の植物帯をカバーしているそうです。
(9時55分)
 東屋が見えました。
 淀川小屋と蛇之口滝との分岐です。
 支流を石伝いに渡りました。滝はもうすぐです。
蛇之口滝(ジャノクチタキ 落差30m 評価7
(10時20分)
 1時間45分で滝に着きました。滝つぼからだと落差30メートルほどですが、実はすぐ上流は100メートルの滑状が続いているそうです。広い岩盤ですが、水が流れているのは左端と真ん中だけでした。
 滝の映像
(11時45分)
 所要時間は3時間10分ですので、尾之間温泉のおばさんには迷惑をかけなかったようです。
 続いて大川の滝を目指して走っていると、海の向こうに薩南諸島が見えました。
 大川の滝は前回よりもかなり迫力不足です。
大川の滝(オオコノタキ 落差88m 評価9
 前回は右側にも流れがありましたが、今回は左側だけでした。
 ただ、真近で見れるのはいいですね。
 滝の映像
 県道は栗生の集落を過ぎると車幅も狭く、くねくねと曲がってとたんに走りづらくなります。やっとの思いで永田集落まで抜けると口永良部島の噴煙が見えました。
 水車谷の滝は布引の滝のある一湊集落にかかります。
 最近は誰も訪れていないのか、踏み跡もはっきりしません。
 堰堤を越えると滝があります。
水車谷の滝(スイシャダニノタキ 落差20m 評価6
 左の奥から落ちた水が右へと流れ最後は末広がりに広がっていました。
 近くの一湊中学校の生徒たちの憩いの場だそうです。
 滝の映像
 最後は布引の滝で締めました。
 駐車場に車を停めて滝の方角へ向かいますが、水量が多い時は110メートルの落差の滝がこの辺ですでに見ることが出来るそうです。
布引の滝(ヌノビキノタキ 落差110m 評価5
 前回同様、水量が少ないのが残念でした。
 滝の映像



撮影2007/5/1〜3
 屋久島と言えば縄文杉が有名ですが、滝も負けていませんでした。水量の多い迫力ある滝を楽しめました。
 但し、静岡からマイカーで鹿児島市まで行き、そこからフェリーに乗って、車中泊の縄文杉トレッキングまでしてきましたので、かなり疲れました。
大川の滝(オオコノタキ) 落差88m 評価9
 とにかく、物凄い水量に圧倒されました。もっと小さな滝を想像していたのですが、近づいてみて驚きました。
 水源は標高1936メートルの宮之浦岳ですので、水脈は無尽蔵にあるのでしょう。こんな小さな島なのに、宮之浦岳が実は九州一の最高峰だったり、実に不思議な島です。その不思議な島にふさわしい見事な滝でした。
 滝の映像
千尋の滝(センピロノタキ) 落差66m 評価8
 ちょっと遠望になるので、大川の滝ほどの迫力は感じませんでしたが、水量は大川の滝に負けないほど豊かでした。でもこの滝の魅力は、左側の斜めに横たわる大きな一枚岩でしょう。日本とは思えない壮大な景観を呈しています。
 続いて下流にあるトローキの滝に向かいます。
 県道沿いの駐車場に車を停めて遊歩道を歩くと木々の間から滝が見えました。
トローキの滝(トローキノタキ) 落差110m 評価5
 直接、海へ落ちる日本では珍しい滝です。対岸のがけからの遠望になります。
布引の滝(ヌノビキノタキ) 落差6m 評価5
 宮之浦から少し西へ向かうと布引の滝を見ることが出来ます。
 落差110メートルということでしたが、見えるのは下部の18メートルだけでちょっと期待はずれでした。観光パンフレットのように見えるのは大雨の時だけのようです。
 せっかく屋久島に来たのに滝だけではもったいないので、縄文杉トレッキングをすることにしました。駐車場が込むとの屋久島観光センター(登山保険、登山届の手続きもここでしました。)のお姉さんのアドバイスに従い、前の日に登山の出発点である荒川登山口駐車場へ行き、そこで車中泊しました。
 朝、5時30分、いよいよ出発です。最初は、8キロもある単調なトロッコ道をひたすら歩きます。
 三代杉は、トロッコ道を半分過ぎたぐらいの道沿いに見ることが出来ます。その名の通り、倒木、伐採を経て切り株更新された杉です。
 推定樹齢…初代2000年、2代目1000年、3代目500年
 単調なトロッコ道を約2時間歩くと、いよいよ本格的な登山の始まりです。単調なトロッコ道と書きましたが、実は道沿いには、屋久杉の巨木が当たり前のように生えていて、他の場所にあったら明らかに、何かの記念杉と呼ばれるような見事なものばかりでした。
 翁杉はトロッコ道をはずれて15分程で道沿いに見ることが出来ます。上の方が枯れているのでこの名があるようです。この杉は、表面が緑色のいろいろな植物に覆われている為、見た目は杉には見えません。推定樹齢2000年以上の古木です。
 注.翁杉は2009年9月に倒木してしまいました。
 樹高23.7m、胸高周囲12.6m、推定樹齢2000〜2500年
 アメリカの植物学者ウイルソン博士によって世界中に紹介された為、この名がついたそうです。物凄く大きな木の切り株で、中は10畳分の空間になっています。切り株の周囲は13.8メートルあり、500年前に秀吉の命によって切り倒されたとの伝えが残っているそうです。
 樹高4.4m、胸高周囲13.8m、推定樹齢3000年
 大王杉は縄文杉が発見されるまで、屋久島で一番大きな杉だったそうで、胸高周囲11.1メートルあります。
 枝が腕のように見え、杉の大王が人間を威圧しているようです。
 樹高24.7m、胸高周囲11.1m、推定樹齢3000年
 杉はもともと癒合しやすい性格を持っているそうで、根の部分での癒合は割りとあるとのことです。そういえば、隠岐の島のかぶら杉も根の部分で何本もの杉が合体して一体の巨木となっていました。
 この夫婦杉は、枝の部分で合体しており比較的珍しいそうです。

樹高 胸高周囲 推定樹齢
22.9m 10.9m 2000年
25.5m 5.8m 1500年
 5時30分に登山口を出発して、4時間15分後の9時45分、ついに縄文杉を見ることが出来ました。トロッコ道をはずれてからは、2.5キロの距離で、落差が370メートルとかなりな急な道になります。ところどころに木道が整備されていて、ロープや鎖を使う難所もほとんどなく歩きやすい道ですが、山登りがあまり慣れていない私にはかなりキツイ道でした。ちなみに、帰りは10時に出発して、登山口へたどり着いたのは、14時30分でした。
 さて、へとへとになってたどり着いた縄文杉でしたが、苦労した甲斐がありました。樹高25.3メートル、胸高周囲16.4メートルの屋久島最大の杉、多くを語る必要はないでしょう。白い樹皮がひときわ日光に輝いて神々しさすら感じました。
 屋久島という離島にあること、ここまでの距離と時間など、誰でもが見ることが出来る相手ではないことを考えると、十分な達成感、満足感を感じることが出来ました。
 樹高25.3m、胸高周囲16.4m、推定樹齢2170〜7200年



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