大台町大杉谷の滝(Oodaicho oosugidani no taki)

三重県多気郡大台町大杉 総合評価9
 日本の3大渓谷の一つとして、黒部峡谷と並ぶ秘境が大杉谷です。宮川第3発電所から大台ケ原までの約16キロ、標高差約1400メートルのタフな登山道の途中には、千尋の滝、ニコニコ滝、七ツ釜滝、光滝と言った落差のあるスケール豊かな滝がいくつもかかります。


撮影07/10
(6時30分)
 七ツ釜滝のある大杉谷は、2004年9月の豪雨災害により、吊橋流失、登山道の崩落があり、入山禁止になっています。日本の滝百選を踏破するには、七ツ釜滝は避けて通ることは出来ません。前の日に大台ケ原駐車場で車中泊し、早朝6時半に出発して七ツ釜滝を目指しました。
(9時00分)
 栗谷小屋までは行くことが出来ますが、それ以降は、入山禁止になっており、栗谷小屋近くの大杉谷入り口は、入山出来ないようにワイヤーが張り巡らされていました。ここを強行突破しました。決して真似しないようにして下さい。
(10時00分)
 栗谷小屋から堂倉滝まで降りると、堂倉滝吊橋は右側がめくれ上がって、無残な状況になっていました。吊橋入り口は、ワイヤーを張り巡らして立入りが出来ないように施されています。他の堂倉吊橋、隠滝吊橋、七ツ釜滝吊橋なども、見た目は大丈夫そうですが、かなりのダメージを受けているでしょう。
堂倉滝(ドウクラタキ) 落差18m 評価8
 落差はそれほどありませんが、真近で見ると、水量が豊富な為、物凄い迫力でした。
 滝の映像
与八郎滝(ヨハチロウダキ) 落差100m 評価5
(10時30分)
 堂倉滝を過ぎて、しばらく崖沿いの道を歩くと、対岸に与八郎滝が見えました。支流の滝の為、水量も少なく、又、木の陰にもなる為、それほど見ごたえのある滝ではありませんでした。
隠滝(カクレダキ) 落差15m 評価7
(10時45分)
 隠滝吊橋の真横にかかります。吊橋のワイヤーが少し邪魔になりますが、狭くなった渓谷を一気に水が流れ落ち、迫力ある流れが楽しめます。
 滝の映像
光滝(ヒカリダキ) 落差40m 評価8
(11時10分)
 隠滝から坂道を降り、開けた場所に出ると、左側の奥まった所に光滝が見えました。なるほど、うまく命名したなと思いました。上部が直瀑、下部が斜瀑になっていて、周りにさえぎる木々がないので、太陽の光を一杯に浴びて光輝いていました。
 滝の映像
(11時15分)
 登山道で特に酷いのは、光滝を少し過ぎた所です。右岸の山体が崩落して大きな岩が完全に川を塞いでいます。渓谷の雰囲気がここだけ全く違っており、当然、登山道など見る影もありません。
 大きな岩だけでなく、小石や砂も降り積もっており、川はここで完全に消えて伏流水となっています。ちょうど、双門峡の水のない河原「白川八丁」のようです。
 左岸まで、大岩が塞いでいますので、完全に登山道は絶たれています。山が崩れた状態のまま放置されていますので、ここを超えるには、落石や岩の崩れなど予期せぬ危険があり、命懸けで大岩を超えるしかありません。
 結局、この崖崩れを越えるのに、45分ほどを要しました。
七ツ釜滝(ナナツガマタキ) 落差100m 評価9
(12時30分)
 途中で写真を撮りながらゆっくり歩いてきたこともあり、6時間かけてようやくこの滝を見ることが出来ましたが、百選踏破を目標にしてきたので、この滝が最大のネックになると思っていました。報道等によると、登山道の崩壊が酷く、後、5年は無理とあきらめていました。実際に目にした惨状には本当に驚きました。いつの日か、登山道が復旧したら、ゆっくりと山小屋に泊まりながら、来て見たいと思います。
 滝の映像
(14時30分)
 七ツ釜滝には13時までいましたが、午後5時半には暗くなるので、この時点で、今日中に大台ケ原まで戻れないと覚悟を決めました。光滝には崖崩れの大岩を越えるのにやはり45分ほどかかったこともあり、14時30分になっていました。
(15時30分)
 堂倉滝に着いたのは、15時30分でした。栗谷小屋から堂倉滝まで降りる時は1時間でしたが、急坂を登るので、1時間半はかかりそうです。日没ぎりぎりです。途中にはテントを張る場所はないので、あせりましたが、身体は言うことをききません。
(17時00分)
 結局、午後5時、ようやく栗谷小屋に着き、日が暮れる前に栗谷小屋の駐車場にツェルト(簡易テント)を張って、一夜を過ごしました。
 夜から雨がふってきましたが、ツェルトとシュラフのおかげで、特に不快な思いをすることなく、一夜を過ごしました。
(6時30分)
 翌日は、朝6時半に出発し、延々と続くきつい坂を黙々と登りました。
(8時50分)
 日出ヶ岳の見晴台が見えた時には、さすがにほっとしました。
 大台ケ原は雨でしたが、大台ケ原から帰る途中に雨はあがり、雲海の間に熊野の山々を見ることが出来ました。どうやら大台ケ原だけが雨だったようです。さすが、世界屈指の多雨地帯です。

 大杉谷登山道は、2007年10月現在、登山禁止です。決して真似しないようにして下さい。私のホームページを参考に行かれた場合も一切の責任を負いません。
 光滝を過ぎたところの崖崩れ以外にも、登山道は非常に危険な状態です。丸3年整備されていないので、岩は苔むして沢靴でないと通れないようになっている箇所もあり、又、鎖も錆び、ロープも心もとない状況です。滑れば、数十メートルの断崖下に真っ逆さまです。
 又、長い間、人が踏み込んでいないことから、渓谷が熊の巣になっている可能性もあります。
 そして何よりも、大変なのは、大台ケ原から七ツ釜滝まで、標高差1100メートルを、行きが6時間、帰りの登りは、7時間はかかることです。昔なら、桃の木小屋か栗谷小屋で一泊すればいいですが、山小屋は閉鎖されたままですので、途中でテント泊しなければいけません。
 もともと大杉谷登山道は死亡者が多数出る所です。私も行ってしまってからでは遅いですが、反省しています。自治体などの保身、訴訟リスク回避の為に、入山禁止にしている場所もありますが、ここは違います。本当に危険です。間違っても真似しないようにして下さい。

(携行装備)
・レインウエア上下、ベスト、ストック、登山靴、帽子、手袋、熊避鈴、熊避スプレー
・ツェルト、シェラフ、マット、ツェルトポール、ツェルト紐、ツェルト用折畳み傘
・GPS、高度計、気圧計、コンパス、地図、デジカメ、ヘッドライト、懐中電灯
・食料(ウイダーインエネルギー×3、朝バナナ×1、カップヌードル×2、雑炊×2、マジックライス×3、パン×1、チョコレート×2、シーチキン缶×2、水ペットボトル×1)
・調理用バーナー、鍋、箸



撮影10/11
 2010年10月1日から11月30日まで第3発電所の登山口からシシ淵まで通行可能になりましたので、早速行って来ました。
 2007年10月に大台ケ原から七ツ釜滝まで行ってるので、シシ淵まで行って、ニコニコ滝が見れれば、登山道沿いの滝は全て踏破したことになります。
(10時20分)
 第3発電所の登山口地図を出発しました。
 シシ淵までしか行けないのが残念ですが、来年になれば、もう少し先まで伸びるそうです。
 至るところに距離表示があり、非常に安心です。逆に言えば、それほど厳しい登山道と言えるかもしれません。何といっても、日出ヶ岳まで14キロ、大台ケ原駐車場までの2キロを足すと、16キロにも渡る登山道です。
(10時23分)
 すぐに大日ぐらです。写真は見て知っていましたが、実際、通ってみると結構スリルを味わえます。
(10時32分)
 大日くら吊橋です。
(10時40分)
 こちらは熊谷吊橋です。
(10時46分)
 またまた吊橋です。こちらは地獄谷吊橋です。
(11時5分)
 京良谷出会に到着しました。ここからは、無名滝を見ることが出来ます。
(11時9分)
 京良谷付近も危険な箇所が続きます。
(11時24分)
 いかにも頑丈そうな大きな吊橋に来ました。日浦杉吊橋です。
(11時38分)
 かなり高い所に大きな滝が見えました。どうやら千尋滝のようです。
千尋滝(センヒロタキ) 落差160m 評価8
(11時43分)
 日本の滝のスケールを完全に超えてる滝で、兵庫県の天滝とも似ています。上部の狭い一点から一気に水が流れ落ちています。下部は木々で見えませんが、物凄いスケールでした。
 又、手前の木々の紅葉も、この時期を選んだ狙い通りの素晴らしい景観を見ることが出来ました。
 滝の映像
(12時22分)
 千尋滝からシシ淵までの道も危険な箇所が続きます。
(12時30分)
 はるか前方にニコニコ滝が見えました。
(12時32分)
 トンネル状になった岩の間をくぐります。上部からは水が雨のように降っていました。
(12時35分)
 ようやくシシ淵に着きました。右側に小さな滝がかかっていました。
(12時35分)
 ここから先はまだ行けません。
ニコニコ滝 落差50m 評価8
 何とも変な滝名ですが、昔、この滝をニコニコ笑いながら落ちる人がいたのが由来だそうです。
 遠望なのが残念ですが、シシ淵に逆さの映像が映って大変きれいでした。
 滝の映像
(13時00分)
 シシ淵には30分ほどいました。シシ淵から帰る時に見えた渓谷の淵の緑です。水が本当にきれいなのでしょう。見事なコバルトグリーン色をしていました。
(13時37分)
 帰り道に千尋滝が見えましたが、やっぱりきれいです。
(14時53分)
 大日ぐらの遠望です。こうして見ると、凄いところに道を作っているのが良くわかります。
(14時54分)
 道を踏み外したら、ただでは済みそうもありません。一気に川まで落ちてしまいます。
(15時00分)
 やっと登山口まで戻ってきました。総行程は4時間40分でした。


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