雪舟庭園の滝(Sessyuteien no taki)

島根県益田市
 雪舟が最晩年を過ごした益田市には雪舟作と伝わる医光寺と萬福寺の日本庭園があり、いずれも国の名勝に指定されています。



撮影2024/9/17
 雪舟は1506年に87歳で益田市で没したというのが定説です。
 一方、医光寺庭園は1479年に益田氏当主に住職として招かれ画業の傍ら作庭したということですので、雪舟60歳の時の作庭ということでしょうか。
 医光寺は臨済宗東福寺派の寺院です。立派な山門ですね。
 本堂の裏側に庭園があります。
 本堂にはお宝がたくさんありました。こちらは伝雪舟画の水墨画ですが、雪舟真筆との鑑定は得られていません。
 こちらは狩野松栄筆の益田元祥騎馬像です。国の重要文化財に指定されていますが、こちらは複製画で本物は石見美術館展示でした。
 狩野松栄は父の元信や息子の永徳の影に隠れていますが、その後の狩野派繁栄の基礎を作った人物と言われています。
 雪舟作と伝わる庭園ですが、最初に見た時、雪舟庭園と言えば枯山水だと思っていたので随分緑豊かだなあと違和感を感じました。
 刈り込みは安土桃山時代からですので、後代に追加植樹されたのかもしれません。
 額縁庭園で見たのは亀島で、左が頭です。真ん中の四角い石は蓬莱石とのことなので、この庭園は蓬莱神仙思想の庭園ということでしょうか。
医光寺庭園滝石組(イコウジテイエンタキイワグミ) 落差2m 評価1
 亀と対峙する形で鶴出島が見えます。
 真ん中の白いとんがった石は遠山石で、そこから小さな石が滝石組を構成し池まで連なっていました。
 続いて萬福寺へ行きました。
 こちらにも雪舟作庭と伝わる庭園があります。
 赤い門をくぐって境内へ入りました。
 鎌倉時代の建築様式を示し国の重要文化財に指定されている本堂の裏に庭園があります。
 こちらは如何にも雪舟庭園とみてとれる枯山水でした。
 築山頂上のとんがった石は須弥山石とのことですが、須弥山は古代インドの世界観の中心をなす聖なる山で仏教においても引き継がれています。
 従って、萬福寺庭園は仏が住する清らかな世界、すなわち極楽浄土を表現した浄土式庭園ということでしょうか。
 同じ雪舟庭園でも医光寺は中国、萬福寺はインドの世界観を表していることになるかもしれません。
萬福寺庭園滝石組(マンプクジテイエンタキイワグミ) 落差2m 評価1
 右端には左上の石から連なる滝石組がありました。



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