両門の滝(Ryomon no taki)

山梨県山梨市三富川浦 総合評価8
 日本の滝百選に選ばれている七ツ釜五段の滝がある西沢渓谷の隣にある東沢渓谷は百名山の甲武信ヶ岳への登山道ですが、道はなく沢登りでの登山になります。沢登りとしては初級ですが、距離が長いので注意が必要です。
 今回のコースは沢登りで、管理されたコースではないため、自然条件についての知識、技術、装備についての十分な準備が必要となります。又、熊が生息する地域でもあります。
 私のホームページを参考に行かれた場合も一切の責任を負いません。又、単独行は事故があった場合、致命的な結末を招きます。十分な注意をお願い致します。


撮影2014/10/25
(6時00分)
 当日の日の出は6時、日の入りは5時ですので、12時までに両門の滝に到着しないと帰れなくなります。装備は重くなりますが、念の為、ビバークに備えてツェルトと寝袋、マットを持参しました。
(携行装備)
 ・沢靴、ストック、ヘルメット、手袋、熊避鈴、熊避スプレー、音楽プレイヤー
 ・GPS、コンパス、高度計、地図、デジカメ、ヘッドライト
 ・ツェルト(簡易テント)、寝袋、マット、レインウェア
 ・食料(ウイダーインエネルギー×6、弁当×1、お菓子、ペットボトル×1)
(6時17分)
 日の出とともに出発し途中の山の神に行程の安全を祈願します。
(6時20分)
 ここで林道を離れて西沢渓谷の遊歩道へ入ります。
 東沢にかかる吊橋を渡ったところで右へ入っていくと東沢です。橋から沢の上流下流を見るとどちらも紅葉真っ盛りでした。
(6時33分)
 そのまま遊歩道を進めば、七ツ釜五段の滝のある西沢渓谷です。
 ここを東沢渓谷に入って行きますが、大きな警告板がありました。
 「東沢渓谷は登山道がありません、危険なため山梨県では通行禁止にしています。近年、入山者による遭難事故が相継ぎ特に単独者の事故が多く死亡事故につながっているので・・・」
 ということで、気を引き締めて東沢渓谷に入ります。
(6時44分)
 10分ほどで最初の沢を渡るところに出ました。もちろん登山靴では無理です。でも登山靴、靴下を脱いで渡っている登山客がいました。どちらまで行くのか尋ねたら魚留の滝を越えて甲武信ヶ岳に登るといいます。両門の滝はどちらを越えるのか尋ねたらわからないというので、地図を見せて貰ったら魚留の滝までしか記載されていません。その装備では無理だから引き返した方が良いと注意したら諦めてくれました。山梨県が警告板を出すのもわかりました。
法螺貝の滝(ホラガイノタキ)地図 落差40m 評価-
(7時23分)
 沢に出てしばらく歩くと左岸沿いの登山道をしばらく進みます。急な崖を降りると法螺貝のゴルジェがありました。大学の登山部の皆さんがいたので尋ねたら、夏はここを泳いで越えたと言っていました。滝は水しぶきが見えるだけで、さすがにこの季節では高巻きコースを選びます。
(8時00分)
 ゴルジェは左岸を高巻きします。崖沿いの登山道を歩いていると、山の神の祠がありました。ここで再び行程の安全を祈願します。
 山の神を過ぎてからは全く道はありません。大小様々な石がごろごろしているゴーロを延々と歩きます。沢が蛇行するたびに沢を渡らなければならず、時間だけがどんどん過ぎていきます。
乙女滝(オトメタキ)地図 落差30m 評価7
(8時35分)
 左側に大きな滝が見えました。乙女沢にかかる乙女滝です。周りの紅葉もきれいでした。
東のナメ沢(ヒガシノナメサワ)地図 落差200m 評価7
(9時00分)
 さらにゴーロを歩いていると、今度は右側の支流から流れ込む非常に大きな滝が現れました。東のナメ沢です。はるか上部にまでナメが続いています。紅葉も大変きれいでした。
(9時34分)
 ゴーロ歩きも段々飽きてきた頃、石の上に置かれた道標がありました。両門の滝のある釜の沢と金山沢・信州沢の分岐までの距離が約100メートルと示している道標なので、恐らく釜の沢にあったものがここまで流されたものと思われます。ここから釜の沢の分岐まではまだ1キロ以上あります。
西のナメ沢(ニシノナメサワ)地図 落差200m 評価7
(9時37分)
 左側に大きなナメが見えました。西のナメ沢です。下部しか見えませんが、実は200メートルはある大きなナメ沢です。
(10時20分)
 やっと釜の沢と金山沢の分岐に着きました。釜の沢は右側の沢に向かいます。
釜沢(カマサワ)地図 落差2m 評価2
 ここに釜の沢の由来ともなった湧き水の滝がありました。
魚留の滝(ウオドメノタキ)地図 落差8m 評価5
(10時27分)
 魚留の滝に到着しました。確かにこの落差では魚も遡上出来ないでしょう。実は人間もここを越えるのは大変でした。
 滝の左側の岩をよじ登るのですが、一本の流木が助けてくれました。写真で見ると簡単そうですが、この木がなかったら相当大変なところです。
千畳のナメ(センジョウノナメ)地図 落差50m 評価3
(10時37分)
 200メートルはあろうかという釜の沢名物の千畳のナメです。ここの沢歩きは本当に楽しいです。
三段の滝(サンダンノタキ)地図 落差20m 評価6
(10時41分)
 千畳のナメの終点には三段の滝がありました。ここは左側のブッシュを木の枝を掴みながら越えます。
曲り滝(マガリタキ)地図 落差8m 評価5
(11時13分)
 時間も段々苦しくなってきました。日帰り出来るリミットまで1時間を切りました。前方にようやく曲り滝が現れましたが、正面から見るとなぜ曲り滝と言うのかわかりませんが高巻きしている時にわかりました。
 最後の難関が曲り滝の高巻きです。滝の右側の崖を枝を頼りによじ登って行きます。
 曲り滝の横に来るときれいなアーチを描いた滝が見えました。なるほど確かに曲っています。
両門の滝(リョウモンノタキ)地図 落差30m 評価8
(11時40分)
 日帰り圏内ぎりぎりで念願の両門の滝に到着しました。実に5時間40分もかかってしまいました。
 東沢渓谷の入り口付近はきれいな紅葉でしたが、ここは高度が高い為、既に紅葉終盤になっていました。でも、落差30メートルで水量豊富な滝が2本同時に見れるなんて最高に幸せでした。
 滝の映像
(17時30分)
 両門の滝で昼食休憩を取り、12時ちょうどに出発しました。帰りも行きとほぼ同じ5時間30分かかり、日の入り時刻の5時を30分も越えた為、駐車場に着いた時には真っ暗になっていました。ヘッドライトがあって良かったです。


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