王子の滝(Ooji no taki)

広島県豊田郡大崎上島町中野
 王子の滝は竹原市から南に10キロの瀬戸内海に浮かぶ大崎上島にあります。


撮影2016/11/27
 6時5分に竹原港始発フェリーで大崎上島に渡りましたが、真っ暗でしたので、とりあえず、神峰山という大崎上島最高峰の山を登ることにしました。
 正式には木江地区から登りますが、今回は山頂駐車場からで、ここからなら15分で山頂まで行くことが出来ます。
 5分ほどで鳥居がありましたが、ここが石鎚神社の分所です。
 所々に展望台がありますが、雨が降っていて何も見えません。すると休憩所を少し過ぎたところにたくさんのお地蔵様がありました。
 分岐を右に曲がって山頂へ行きます。
 東京スカイツリーと同じ451.2メートルの高さだそうです。
 鐘楼が見えました。
 ここが山頂のようです。駐車場からは10分ほどで着くことが出来ました。
 薬師堂です。
 山頂にも展望台がありました。
 でも、ガスっていて全く見えません。
 何も見えないので、早々と退散します。
 続いて、今回の目的である王子の滝へ行きますが、原下地区から観音谷池を目指すのですが、距離が長いので、川沿いにある広域農道で観音谷池の上流まで車で行ってそこから歩いていくことにしました。ヘアピンカーブのところに車を停めて谷へと入っていきます。
 でも谷はとんでもないことになっていました。道路から投げ込まれた冷蔵庫や洗濯機などの粗大ゴミが散乱しています。わざわざフェリー代を払って島までゴミを捨てに来るとは思えないので、島の方が捨てていると思うのですが、こんな小さな島ですから自分の庭のようなものです。このゴミを見ているとこの島の未来はないなあと悲しくなってしまいます。
 途中、猪もたくさんいました。瀬戸内海を泳いで渡ってきたようです。
 ゴミの中を滑ったり転んだりしながらなんとか突破すると欄干に「名所 滝の観音」と書かれた橋に出ました。原下地区から登ってくる道に出ることが出来たようです。
 橋を渡って少し歩くと左側に屏風のような切り立った崖が見えました。
 そこに草に覆われた石段があります。
 ここを登ると王子山観音堂へと出ることが出来ました。
 滝は観音堂の正面に見ることが出来ます。遊歩道の荒れ具合や朽ちかけた看板からほとんど訪れる人はいないようです。近くの粗大ゴミ、朽ちていく観音堂、この島の未来を暗示しているかのようです。
王子の滝(オオジノタキ) 落差5m 評価3
 集水域の狭さから考えて普段は水量が少ないものと思われますが、今回は雨が降っていることもあり、結構な水量がありました。撮影ポイントが近すぎて全景を撮ることが出来ませんでしたが、小さいながらもなかなかの迫力です。
 滝の映像
 王子の滝へ行って少しへこみましたが、島の良いところも探そうと思い観光マップに従って車で散策してみました。
 これは弓張岩といい1400年に弓の名人である小早川冬平がこの岩に弓の弦をかけて矢をはなったと伝わります。ここは瀬戸内海の航路になっていてひっきりなしに大きな船が通りますが、まさに放たれた矢のようでした。
 瀬戸内海航路を守るために明治27年に建てられた中ノ鼻灯台です。
 これは珍しい船の形をした博物館です。
 中には木江の歴史、特に造船や海運を中心に展示されていました。
 さきほど行った中ノ鼻灯台以外にも中瀬戸航路には8つの灯台があるそうです。
 3階の展望台から海の方を見るとみそ汁のお椀を伏せたような小さな島が見えました。福島というそうですが、2つの伝説があるそうです。一つは福島伝説で、1700年前に呉の国から秦の始皇帝が作ったとされる金の鶏の貢ぎ物が応神天皇に献上されたそうですが、この島の近くに差し掛かったところで突然飛び立って逃げてしまったそうです。以来、この鳥の鳴き声を聞いたものは幸せになるとの言い伝えから福島と呼ばれたそうです。さらにこの福島を大三島と大崎上島とで引っ張って争ったのが島引き伝説です。
 こちらは鉄の作品を作り続けるクマさんこと篠原勝之氏が作成した巨大なオブジェ、「天の鳥船」です。
 木江地区は昔、瀬戸内海の漁師達の風待ちや雨待ちの港として栄え、歓楽街を形成していたそうで、3階建て、中には5階建ての木造家屋までありました。もともと木造船の技術があったので、多階層の家を作ることが出来たそうです。
 近くには厳島神社がありシンボルの椋の木がそびえていました。島には他の場所にも厳島神社があり、島民を守ってくれる平家の守り神を手厚く祀ったようです。
 こちはら大望月邸という海と島の歴史資料館です。
 昭和初期の内務大臣、望月圭介氏の生家を保存、改修したものです。
 島のパノラマもありました。
 続いて向かったのが正光坊です。
 ここには種田山頭火が昭和10年に訪れて詠んだ句碑があります。
 また、棟形志功の四大弟子の一人である秋山画伯が山頭火の俳句をテーマにした6枚の襖絵を残しています。
 襖絵がある本堂の大広間は物置のようにたくさんの物が置かれていて、芸術を鑑賞する雰囲気ではありませんでした。でも、かえって庶民的な開かれたお寺さんを感じることが出来ました。


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