妙心寺の滝(Myoshinji no taki)

京都府京都市右京区花園
 妙心寺は1342年、花園法皇を開基とし関山慧玄によって開山された臨済宗妙心寺の大本山で、山門、仏殿、法堂などの伽藍だけでなく周囲には退蔵院、桂春院となど多くの塔頭が建ち並び、一大寺院群を形成しています。


撮影2023/9/30
 お寺の正面に無料駐車場があるのはありがたいです。
 まずは退蔵院を参拝しました。
 こちらでは4代将軍足利義持の「丸いヒョウタンでナマズを捕ることができるか」という禅問答に答えた瓢鮎図(ヒョウネンズ)を見ることが出来ます。
 瓢鮎図は、当時の僧たちの高い教養を示した上部の賛に加え、下部の絵画も漢画の祖である如拙筆であり山水図に戯画を書き込んだ日本最初の作品として評価が高く、国宝に指定されました。
 なお、とらえどころのない様子や人を表す「ひょうたんなまず」という言葉もこの故事が語源になっています。
 僧たちの答えは、無理、無駄、諦める、逃げる、笑うのみという諦め派と、油を塗る、砂を炊く、跳ねるのを待つという技を駆使するもの、更には簡単に捕れる、聖天子なら出来る、龍と化すという常人離れした回答に分かれていて興味深いです。
 元信の庭は狩野派二代目の元信が作庭した枯山水庭園で、自身が書いた絵画を再現したと伝えられています。
 白砂で川の流れを表現し小さな島を石橋でつなぐなど非常に変化が多く、眺めていても飽きませんでした。
 額縁庭園もバッチリ決まっています。
元信方丈庭園滝石組(モトノブノニワタキイワグミ) 落差2m 評価2
 石庭の奥には枯滝石組があり、急流を現わすのか、そこだけ白砂ではなく石が敷かれていました。
 続いて余香苑へと向かいます。
 左側に陽の庭がありました。
 右側の陰の庭は改修中のようです。
 日本庭園に良くある設備と言えば、鹿威しと水琴窟でしょうか。耳を近づけると水が共鳴する音が確かに聞こえました。
竜王の滝 (リュウオウノタキ) 落差5m 評価7
 そしてこちらが竜王の滝です。
 右からは段瀑、左からは小さな滝が池に注ぎ、そして真ん中には石橋、借景も自然そのもので、ここが京都市内であることを忘れてしまいました。
 紅葉時に来れば、素晴らしい景観が迎えてくれるのでしょうね。
 滝の映像
 2024年は辰年ですので、2024年の年賀状のデザインは竜王の滝にすることにしました。
 三門、仏殿、法堂、大方丈と続く伽藍を観ながら境内を歩いて行きました。
 法堂の天井には狩野探幽筆の雲龍図が描かれていますが、堂内撮影禁止の為、こちらは庫裏の天井に描かれていたコピーです。
 また、堂内には698年の銘がある国宝の梵鐘「黄鐘調の鐘」が展示されており、CDで黄鐘調のしらべを聞くことが出来ました。
 外には複製品もありますが、徒然草220段にはこの鐘(浄金剛院の鐘)の音が黄鐘調であることが記されています。
※徒然草220段
 凡そ、鐘の声は黄鐘調なるべし。これ、無常の調子、祇園精舎の無常院の声なり。西園寺の鐘、黄鐘調に鋳らるべしとて、数多度鋳かへられけれども、叶はざりけるを、遠国より尋ね出だされけり。浄金剛院の鐘の声、また黄鐘調なり。
 こちらは庫裏の大竃で、大きさにびっくりしました。
 続いてコケの美しい阿吽庭で有名な大心院へと向かいます。
 書院の縁側に座り、しばらく庭を眺めていました。
 最後は桂春院です。
 こちらには小堀遠州の弟子、玉淵坊により作庭された清浄の庭、侘の庭、思憔の庭、真如の庭など四つの庭園がありました。
清浄の庭滝石組 (セイジョウノニワタキイワグミ) 落差2m 評価2
 清浄の庭は小さな坪庭ですが、右側の枯滝石組、特に一番大きな直立した石に刻まれた白い模様が滝の流れのようで見事です。
 侘の庭は一面苔で覆われ、この空間にいると時を忘れそうでした。
 思憔の庭の前で座禅を組むと深山幽谷、仙境の地の中にいるように思えるかもしれません。
 額縁庭園も格別でした。
 
仙天空霊神の滝 (センテングウレイシンノタキ) 落差2m 評価2
 庭園の中を歩いていると滝の跡のようなものが見えます。もしかすると水を流していたかもしれません。


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