無位の滝(Mui no taki)

静岡県浜松市西区入野町
 無位の滝は浜松市の佐鳴湖畔の龍雲寺にある人工の滝です。


撮影2016/3/13
 龍雲寺は南北朝時代、木寺宮家の二代である康仁親王がこの地に移り住んだ時に開基したと伝えられるお寺です。
 三方原合戦の後、武田方に味方したとして家康に焼き討ちされ、木寺宮家は信州に落延び、山門と阿弥陀如来像を残して全山消失したそうです。
 山門をくぐり、左へ曲がると臨済宗のお寺らしく「無量寿庭」と名付けられた石庭がありました。平成の小堀遠州と称される北山安夫氏の作だそうです。
 本堂に上がると江戸元禄期の作である昇龍園衝立がひときわ目を引きます。
 ご本尊の阿弥陀如来像にお参りした後、本堂奥の清浄庭へと向かうと、池の鯉がいっせいに私に向かって寄ってきました。
無位の滝(ムイノタキ) 落差15m 評価4
 「無量寿庭」と同じく北山安夫氏の作となる「清浄庭」で、落差15メートルの滝が特徴です。
 無位の滝と名付けられた滝より落ちた水は、寺玄関前より参道脇を流れます。
 流れを滝より見れば、無位である存在が、幾多の流れの中で、本堂前庭の極楽浄土にたどり着くと捉える事ができ、また前庭の龍が流れをたどって滝を登る昇龍の様を見る事も出来るとのことです。
 滝の映像
 本堂の外へ出て左側へ向かうと水琴窟がありました。竹筒を石に当てると井戸の下にある空洞に水がしたたり落ちて共鳴する音が聞こえます。
 裏山を登ると無位の滝の上段にある滝つぼへの分岐があります。
 この道を進むと滝の中段へと出ることが出来ます。
 分岐に戻って坂道を更に進むと鐘楼がありますが、自然の地形をうまく利用した伽藍配置となっています。
 山の上には観音様が立っていました。
 ここからは佐鳴湖が一望出来ます。佐鳴湖はかってワカサギやシジミが採れるほどのきれいな湖でしたが、水質ワースト一位を取るほどの汚れた湖となってしまいました。現在では水質改善対策によりワースト5位から外れています。
 山の上から散策路を降ると康仁親王の御墓所がありました。


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