鳴和滝 (Meiwa taki)

石川県金沢市鳴和町地図
 鳴和の滝は謡曲「安宅」にも登場する滝です。


撮影2020/10/3
 謡曲「安宅」では弁慶の機転により、安宅の関で難を逃れた義経一行を追ってきた関守の富樫某と酒宴を交わした場所として登場します。
 義経は平家を滅ぼした功績にも関わらず頼朝に追われることとなり、奥州藤原氏を頼って日本海沿いを山伏に扮して北上します。
 ところが、現在の小松市、安宅の関で富樫某に見破られそうになるのですが、東大寺再建の寄付の為の勧進 (寄付) の旅と偽ります。富樫某が「本当に勧進なら勧進帳があるはず、読み上げてみよ」と言ったところ、弁慶が見事な勧進帳を読み上げて一同納得させられます。
 その結果、無事、関所を通ることが出来たのですが、最後尾にいた剛力 (荷物持ちの人足) に扮した義経を本人と見破り、止めおきます。すると弁慶がいきなり金剛杖で「お前のノロマのせいで疑いを持たれた。懲らしめてやる。」と主君である義経を打ち付けます。
 それを見た富樫某が「分かった。疑って悪かった。通りなさい。」と無事、通り抜けることが出来たのです。
 謡曲「安宅」では富樫某は無能な人物と描かれます。しかしながら、歌舞伎の「勧進帳」では、富樫某は義経一行と見破った有能な人物として描かれます。
 結局、富樫某は、鳴和の滝まで追いかけてきて、「さきほどの無礼を詫びたい」と酒を振る舞い酒宴となりました。
 弁慶は酒のお返しにと舞を舞いますが、その際、詠んだ歌が、石碑に彫られている「鳴るは滝の水 日は照るとも絶えずとうたり」という句です。
鳴和滝雌滝 (メイワタキメタキ) 落差15m 評価3
 ということで、何とも由緒正しい滝です。
 丁度、鹿島神社の方がいらっしゃったので、二つ滝があるが、それぞれに名前がありますかと聞いたところ、奥にあるのが、雌滝、手前にあるのが雄滝と教えて頂きました。
鳴和滝雄滝 (メイワタキオタキ) 落差15m 評価3
 奥にあるから雌滝と言うのは、何となく理解出来ます。
 両方同時に見るとこんな感じです。
 滝自体は落差もないし水量も乏しいですが、背後にある逸話に畏敬の念を覚えました。
 滝の映像


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