桂離宮 鼓の滝(Katsurarikyu tuzuminotaki)


京都府京都市西京区桂御園
 京都・西京の地にひっそりと佇む桂離宮は、江戸初期に八条宮家の別邸として造営された二万坪を超える広大な庭園である。



撮影2026/3/8
 春の気配がようやく濃くなり始めた3月8日、事前予約の上、訪れた。
 苑路へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは「霰こぼし」と呼ばれる敷石の妙だ。大小の石が絶妙に組み合わされ、平らな面をつくり出し、歩くたびに足裏へ伝わる感触が、庭園の静けさをいっそう際立たせる。
 続いてくぐったのは後水尾院と東福門院の行幸のために建てられたという御幸門。
 正面には表門が凛と構える。かつて皇族が通ったというその門は、今もなお気品を湛えていた。
 やがて外腰掛に至る。茶室・松琴亭へ向かう客の待合として造られた建物で、細い柱が全体を支えていた。その中でもひときわ目を引く曲がり柱は、まさに日本の美意識の真髄だろう。
 前庭には、島津家から献上されたという蘇鉄が生え、葉が力強く天を衝く。
 外腰掛から松琴亭へ向かう道は「行の延段」と呼ばれ、右手の自然石は草書、左手の切石は楷書に見立てられている。歩を進めるごとに、書の世界を旅しているような不思議な感覚に包まれた。
鼓の滝(タメノフドウタキ) 落差1m 時間15分 評価2/10
 松琴亭へと向かう途中、小さな滝が姿を現す。落差はないが、左右の石に水音が反響し、まるで鼓を打つような響きを生む。技巧を凝らしたこの滝は、静寂の中にひときわ印象的な存在感を放っていた。
 滝の映像
 美しい州浜の向こうに見える連続した小島は天橋立を見立てており、桂離宮の中でも屈指の景観といわれるのも頷ける。
 松琴亭は池を挟んで書院と向かい合う。
 近くには織部灯籠も立つ。
 桂離宮の庭園はどこから見ても美しい。
 青と白の襖を備えた松琴亭の内部には、狩野探幽の絵が描かれた袋棚がある。外気に触れ続けてきたためか、絵は淡く消えかけていたが、その儚さがかえって時の流れを感じさせた。
 賞花亭は、池の南側にある大きな島の頂上よりやや西に北面して建つ。
 賞花亭は園内で最も高い位置にあり、庭園全体を見下ろすことができた。
 島の西端には本瓦葺の園林堂が佇み、離宮の中でひときわ重厚な雰囲気を醸している。
 古書院・中書院・新御殿はいずれも入母屋造で、柿葺の屋根が連なっていた。増築の際に少しずつ位置をずらし、どの書院からも庭園が眺められるよう工夫されているという。
 月並楼からは、まるで額縁に収められた絵画のような庭園の姿が望めた。
 季節の花といえば梅。鮮やかな赤が庭園の静けさに映え、着物姿と庭園も良く似合う。
 書院へ続く切石の道は、離宮の中でも最も格式の高い場所である。
 池に向かって伸びる一本松を反対側から眺めると、その姿はまるで水面へ飛び出すようで、計算し尽くされた美の極致ともいえる。訪れた人々から思わず感嘆の声が漏れたのも無理はない。



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