双門の滝(Soumon no taki)

奈良県吉野郡十津川村内原 総合評価9
 双門の滝は、弥山登山道の途中に姿を現す、日本の滝百選の中でも“最難関”と呼ばれる滝だ。
 険しい道のりの果てに出会うその姿は、まさに秘瀑の名にふさわしい。


撮影2006/10/14
(6時30分)
 国道309号線を山奥へと進み、天川村・熊渡で林道へ入る。しばらく走ると河原へ下りる分岐があり、車はここに停めた。
ガマ滝(ガマダキ) 落差6m 評価4
ガマ滝(7時10分)
 河原へ降りると、水のない広い河原が続いていた。これが白川八丁で、大きな石がごろごろと転がり、歩きにくい。
 しばらく進むとガマ滝が現れる。上流に取水口があるため水量はわずかだが、滝壺は深い青を湛え、美しかった。
 ここから右岸へ取りつき、いよいよ弥山登山道へ。
  ところどころ橋が壊れており、行程は厳しさを増す。特に沢を越えて左岸をよじ登る一の滝手前の河原は危険で、足を滑らせれば捻挫や骨折の恐れもある。
 一の滝以降の連続梯子は「落ちたら終わり」という緊張感があるが、実際にはガマ滝から一の滝までの方が危険度は高い。
  河原の大岩や崖を越えて進むと、一の滝手前の吊橋に出る。
一の滝(イチノタキ) 落差30m 評価8
一の滝 目の前には豪快な一の滝が落ち、紅葉も色づき始めていて美しかった。
 吊橋を渡ると、いよいよ32基の連続梯子が始まる。この梯子はよく整備されており、一の滝までにあった壊れた梯子とは比べものにならないほど安全だ。もし梯子がなければ、このルートは到底進めないだろう。
ニの滝(ニノタキ) 落差20m 評価7
ニの滝(8時20分)
 一の滝の上部に姿を見せる滝。梯子を登る途中、木々の間から白い流れが覗く。
三の滝(サンノタキ) 落差20m 評価7
三の滝 全部で32基の連続梯子を登る途中で見える滝。
連続梯子 両側が切り立った崖になっている箇所もあり、梯子の上でも気が抜けない。
 むしろ梯子のない尾根の方が馬の背状で危険な場所も多く、緊張が途切れる瞬間がない。
連続梯子の途中から見た登山道 梯子の途中から振り返ると、中央の谷がこれまで登ってきた道であることがわかり、その距離と高度に思わず息を呑んだ。
大滝(オオタキ) 落差80m 評価10
双門大滝の全景(9時30分)
 6時30分に出発し、3時間かけてようやく双門大滝の滝見台に到着した。
 途中、道が不明瞭な場所もあったが、木々に巻かれたテープを丁寧に探せば必ず目印がある。
双門大滝の全景 滝見台手前は広いが、実際に滝を見る場所は断崖絶壁そのもの。対岸の垂直の壁と同じ高さに立っており、足元には何も引っかかるものがない。一歩踏み外せば100メートル下へ真っ逆さまだ。
双門大滝の落ち口  長い年月をかけて滝が岩を削り、落ち口は通路のように深く掘れている。上部の紅葉はちょうど見頃で、白い水流との対比が鮮やかだった。
 滝の映像
(14時00分)
 大滝を10時に出発し、車に戻ったのは14時。下りの方が時間がかかり、4時間も要した。危険箇所が多く、慎重に歩いた結果だが、往復7時間はさすがに堪えた。
 途中、単独行の女性と道中を共にしたが、彼女は「双門ルートの下りは危険なので、弥山まで登って別ルートで下る」と話していた。私は車に戻らねばならず、寝袋もないため引き返すしかない。
 すれ違った登山者からも「この道の下りは本当に危険」と何度も注意を受けた。
 双門の滝は、ただ美しいだけではなく、そこへ辿り着くまでの行程そのものが試練であり、魅力でもある。険しさの果てに出会う大滝の姿は、まさに忘れがたいものだった。



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