姫路城の滝 (Himejijyo no taki)

兵庫県姫路市本町地図
 百名城に選定されている姫路城(59番)の西御屋敷跡庭園・好古園には、いくつもの滝が静かに景観を彩っている。



撮影2019/10/13
 好古園は9つの日本庭園から成り、特に潮音斎から眺める景観は息をのむほど美しい。
 池泉回遊式庭園として造られ、小川のせせらぎが巧みに再現されていた。
 池には大きな鯉がゆったりと泳ぎ、庭園に穏やかな生命感を添えている。
大滝 (オオタキ) 落差5m 評価2
 その名の通り園内で最も大きな滝で、二つの水落石が流れに変化を与え、見飽きることがない。
 城郭に寄り添う滝であることを思えば、龍門瀑のように出世を願う象徴として設けられたのかもしれない。
小滝 (コタキ) 落差2m 評価1
 落差こそ控えめだが、幅広に流れ落ちる水は庭園の景観に柔らかな動きを添えていた。
 滝の映像
 続いて世界遺産・姫路城へ向かった。
 別名「白鷺城」と呼ばれる通り、白漆喰をまとった天守は優雅で、どこか羽ばたく鳥のようにも見える。
 2009年10月から保存修理が行われ、2015年3月に一般公開が再開された。漆喰は年月とともに色が落ちていくため、より白い姫路城を望むなら早く訪れるに越したことはない。
 昔から姫路城は江戸城の代役として映画やドラマの撮影に使われてきた。というのも戦国時代の城は板張に柿渋などを塗った黒い城が一般的だったが、板張りなので火に弱いという欠点があった。そこで、家康が造った江戸城は、耐火性を重視し外壁に白漆喰を塗った白い城(豊臣大阪城の黒漆塗りの天守に対抗したとの説も)だった。そこで家康の娘婿・池田輝政も江戸城を真似て、もしくは家康の意向を受けて姫路城を造ったと言われている。
 菱の門は現存する姫路城最大の門で、幅20メートルの城門の上に櫓を載せた櫓門だ。
 窓の格子には黒漆が塗られその上に金色の装飾が施された豪華絢爛の造りに驚かされる。美しいだけでなく、石落としなど防御装備にも抜かりがない。
 また、門の扉には細長い鉄板が貼られ見た目の美しさだけでなく強度を増すのに一役買っている。これが筋金入りの語源だ。
 ほの門をくぐると、黒い石垣に混じって白い石が見えた。実は欠けた石臼で「姥ヶ石」と呼ばれる。秀吉が姫路城を築く時に石集めに苦労していた。すると城下で餅を焼いて売っていた貧しいお婆さんがそのことを聞きつけ、使っていた石臼を寄付する。この話が評判になり国中から沢山の石が集まり築城工事が進んだという。実際にはこの石垣は後年、池田輝政が築いたものなのでフィクションだと言われている。
 天守からは姫路市街が一望でき、城下町の広がりを感じることができた。
 池田輝政による姫路城築城の時、完成した天守から一人の男が身を投げたと言われている。城普請にあたった大工の棟梁・桜井源兵衛だ。
 9年間、寝る間も惜しんでやっと完成し、奥さんを伴って天守に登ったところ、「お城は立派ですが、惜しいことに少し傾いていますね」と指摘されてしまった。愕然とした源兵衛は、まもなくノミをくわえて飛び下りたという。実際には、東と東南隅の石垣が沈んだためで、源兵衛に非はなかった。傾きは昭和の大修理まで続く。
 城内には、怪談「播州皿屋敷※」で知られるお菊さんが投げ込まれたとされる井戸が残っている。
 耳を澄ませてみたが、「一枚、二枚……」という声は聞こえなかった。
※怪談「播州皿屋敷」
 色々な話があるが、代表的なものは、下剋上が当たり前の戦国時代、家老が城主に取って代わろうと密談しているところをお菊さんに聞かれてしまった。そこで家老は10枚セットの皿が一枚なくなったのはお前のせいだとお菊さんに濡れぎぬをかけて井戸に投げ捨ててしまう。すると、幽霊になったお菊さんが「一枚、二枚・・・」と皿を数える声が毎夜井戸から聞こえてくるという話だ。
 他にも妾になれと迫ったが断られたので井戸に投げ捨てたとか、舞台が播州から江戸の番町に代わった番町皿屋敷など色々な話がある。城は江戸城を真似たが、怪談はこちらが元祖だ。
 ぬの門をくぐると右側に人の顔が隠れていると言う「人面石」が現れた。
 上に並ぶ長方形の二つの石が目、その下の縦に細長い石が鼻、両側の丸い石がほっぺた、下の楕円形の石が唇だ。呪術的な意味合いを込めてこの配置にしたという説もあるが、個人的には鏡石※をたまたま配置しただけのようにも思える。
※鏡石
 来城者に威圧感を与え、城主の権力や財力を誇示するために城の入口の石垣に置かれる石。有名なのは大阪城の蛸石だろう。



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