海老名の滝(Abina no taki)

静岡県掛川市八坂地図 総合評価6
 国道一号線バイパスの八坂インターを降り、沢沿いの道を東へ進むと、やがて海老名の滝に行き当たる。室町時代、永享年間(およそ1440年頃)に著された『続太平記』にも名が記されているという、由緒ある滝である。今では訪れる人も少ないが、かつては近くの夜泣石とともに広く知られていたと案内板にあった。



撮影2025/02/16
 海老名の滝を訪れるのは実に11年振りだった。
 道路からも滝の姿が見えるお手軽滝だ。
 説明板の右脇を登って滝つぼへ向かう。
海老名の滝(アビナノタキ) 落差15m 評価6
 この日は水量が乏しく、細い糸のように水が落ちていた。倒木が景観を遮っているのも惜しい。それでも、長い年月を経てここに流れ続けてきた滝の気配は変わらない。
 滝の映像
 気持ちを切り替え、続百名城に選ばれている諏訪原城(146番)へ向かうことにした。
 ジターセンターでは、年間50ヵ所もの城を巡るという春風亭昇太さんが来館者を迎えてくれる。
 展示スペースは狭いが、広さ以上に内容が充実しており、特に城の変遷を示す図は大いに学ぶところがあった。
 諏訪原城は天正元年(1573年)、武田勝頼が馬場信春に命じて築かせた城である。城内に諏訪大明神を祀ったことから、この名が付いたという。
 ※馬場美濃守信春
 武田四天王(馬場信春、内藤昌秀、山県昌景、高坂昌信)の一人。長篠の戦いでは山形昌景、内藤昌秀らと武田勝頼に撤退を進言するが、受け入れられず負け戦の中で他重臣らとともに戦死。馬場信春は勝頼を逃がす為に殿を務め戦死するが、それまで40年以上に渡って70回を越える戦を経験したにも係わらず、かすり傷一つ負わなかったことから不死身の馬場美濃の異名を得た猛将。
 諏訪原城の大きな特徴は丸馬出しである。武田氏の城といえば丸馬出しと言われるほどだが、近年の調査では諏訪原城の丸馬出しは徳川氏による追加と考えられている。
 城域には東海道が通り、東西交通の要衝であったため、徳川軍が奪取したことで高天神城への補給路を断つことができた。
 ビジターセンターのジオラマ模型を見ると、丸馬出しの構造がよく分かる。
 実際の二の曲輪中馬出しも模型と同じで、この深い堀を攻め落とすのは容易ではない。攻め手がひるめば脇から兵を送り込める、守りにも攻めにも優れた構造である。
 門をくぐり二の曲輪北馬出へ入った。
 手前は断崖、向こうには大井川が流れていた。
 二の曲輪は城内で最も広く、サッカーができそうなほどの広さだ。
 本曲輪は城の最深部にあたる。
 ここからも大井川が一望できた。右から東海道本線、県道381号線、国道一号線と三つの橋が並び、手前にはカーブした東海道本線が見える。
 本曲輪を巡ると、二の曲輪との谷に井戸があった。籠城戦に井戸は欠かせない。
 かなり埋まっているが、落ちれば這い上がるのは難しそうだ。
 諏訪原城には大きな馬出しが二つ、小さな馬出しが四つある。
 二の曲輪東内馬出しは小規模ながら、右手の堀は容易に越えられそうにない。南馬出しも同様である。
 城名の由来となった諏訪神社もあった。
 本家の諏訪神社同様、安産祈願ができるという。
 諏訪原城跡を一周し、「丸馬出しを見るなら諏訪原城」と言われる理由を実感した。



撮影2014/2/16
 海老名の滝の近くには、小夜の中山の「夜泣石」がある。
 伝説では、臨月の女性が久延寺の丸石に腰を下ろして休んでいたところ、山賊に襲われ命を落とす。しかし刀の切っ先が石に当たったため、腹を切り落とされることなく赤子が生まれた。
 泣き声を聞いた僧が駆けつけると、赤子は声を出せる状態ではなく、これは母の魂が石に宿って泣いたのだと考え、寺に連れ帰って水飴で育てたという。これが小泉屋の子育飴の由来とも言われる。
 後日談では、成長した赤子が刀の研師となり、ある侍の刀の刃こぼれから親の仇を知り、長い年月を経て思いを語り合い母の魂を慰めたという説がある。
 別の説では見事に仇討ちを果たしたとも伝わる。
 こちらが歌川広重の東海道五十三次「日坂 小夜の中山」に描かれている「夜泣石」だ。通行の邪魔になりそうなほどの存在感だ。
※歌川広重の東海道五十三次「日坂 小夜の中山」
 出典:東京都立図書館(パブリックドメイン)
海老名の滝(アビナノタキ) 落差15m 評価6
 2段のくびれが美しい。国道一号線の喧騒を忘れさせる静けさの中、変わらぬ姿で流れ落ちていた。
 滝の映像



撮影2005/9/19
 海老名の滝は、永享四年(1432年)成立の『続太平記』に記されたのが初見とされる歴史ある滝で、江戸時代には夜泣石の伝説とともに広く知られるようになった。
海老名の滝(アビナノタキ) 落差15m 評価6
 別名「菊水の滝」とも呼ばれ、落差15メートル、途中で右にくびれる2段の姿が特徴的である。国道一号線のすぐ近くに、これほどの滝があることに驚かされる。
 滝の映像



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